羊ノブナガの仮想通貨ブログ

1991年生まれ。2014年に仮想通貨投資を始めました。

Bancorについてまとめてみた。

どうも。ノブナガです。

 

イケダハヤト氏がまとめたことで話題になっているBancor。

【解説】Bancorとは何か?できるだけわかりやすく説明。 : まだ仮想通貨持ってないの?

 

流動性問題を独自の手法を用いて解決することを目指しています。しかしながら、読み進めていくうちに、この手法では根本的な問題があると思ったので、私の懸念をまとめてみます。

結構難しいのですが、なるべくわかりやすいようにまとめてみます。

 

 

流動性問題とはなんぞや

流動性問題とは金融市場・暗号通貨市場に共通する問題のひとつで、一言でいえば「買いたい時に買えない。売れない時に売れない」ことです。

 

たとえばあなたがBTCを1000枚、だいたい180万円くらいで買いたいとします。

しかし、当然ながら売り板にないものを買うことはできません。

 

CoincehckのBTC/JPYの板を見てみましょう。

f:id:youdan:20180104150037p:plain

売り注文の板には1000枚どころか、2枚分くらいしかありません。

 

もちろん、価格を上げていけば売り注文は増えていくのですが、

f:id:youdan:20180104150323p:plain

10枚買うことすらなかなか大変です。

 

それでは、Zaifではどうでしょうか。

f:id:youdan:20180104150554p:plain

こちらも1枚強というところでしょうか。超大規模な海外取引所にはもう少し売られていますが、それでも20枚が限界。いつまで経っても1000枚を買うことは難しそうです。

 

そして、これは売る時も同様。例えば、急に資金が必要になり、BTCを5000枚強売って今日中に100億円にしなければならないとします。

しかしながら、BTCを売りまくってもその日中に100億円を仕入れることは容易ではありません。

 

これが流動性問題ってヤツです。

Bancorの解決法

Bancorは動的に価格を決定する価格決定メカニズムを導入することで、流動性問題の解決を図ります。

 

f:id:youdan:20180104151508p:plain

ある瞬間のトークン価格 (Price) は、その時点でトークン発行者が保管している準備金の残高 (Balance) を、トークン総発行量 (Supply) と固定準備率 (constant reserve ratio:CRR) で割ったものである、という定義式です。

このうち、Price, Balance, Supply は変数であり、CRR のみが定数になります。トークン総発行量 (Supply) が定数でなく変数である所がミソです。

例えば CRR = 0.2 だとすると、発行するトークンの時価総額 (Price × Supply) の 20% 分の価値を持つ準備金(例えば ETH)を、常に保管されている状態にするということです。

Bancor Protocol はトークンエコノミーを支える大発明となるか?(前編) – Akinori Machino – Mediumより)

 

数式が出てきてややこしいのですが、一言でまとめると

準備金が多く、買い手が多いほど自動的に価格が高くなり、発行枚数が増える。逆になれば価格が安くなり、発行枚数が減る

こういうことです。

 

従来の金融市場・暗号通貨市場では、発行枚数は一定でした。また、準備金は関係なく、買い手と売り手のマッチングで価格が形成されていました。

つまり、Bancorの価格決定方式は従来の金融市場とはまったく異なる価格決定方式になるのです。

 

Bancorの価格決定システムの問題点ー価格操作が可能

ここでは「問題点」と表現しますが、これは既存の市場(今までの常識)から見た問題点であって、Bancorのシステム自体は理論上成立しています。

 

ややこしいので、まとめてみました。

 

価格操作が可能とはどういうことか

見にくいのですが、こちらのメモをご覧ください。 
f:id:youdan:20180104154937j:image

 

つまり、売れば自動的に価格が下がってしまうため、保有物を売って買い直すことで自動的に利益が出てしまいます。つまり、Bancorのモデルは自己裁定取引 ができてしまうモデルなのです。

 

#数式の読み違えをしている可能性があるので、誤りがあれば教えてください。 

1/20追記:価格決定には積分が必要とのご指摘がありました。ホワイトペーパーと格闘しましたが、私には理解できず・・。ホワイトペーパーのURLを掲載しておくので、ご確認ください。)

Bancor Protocol Whitepaper 

 

おわりに

 自己裁定取引ができるということは私たちは準備金がなくなるまで無限に得をします。では誰が損をするのでしょうか。

この場合は、マーケットメーカー(準備金を供託する者)が損をすることになります。マーケットメイカーは流動性を得る代わりに、必然的に大損をするモデルになっているのです。これでは普及は難しいでしょう。

(マーケットメイカーをターゲットにしたSCAMの可能性もあります)

 

私の計算を間違っている可能性もあるので、もう一度よくお読みになって、ご自身で検証することを推奨します。

(この記事は全員に公開しているため、クレームがあれば削除する可能性があります。ご了承ください)

 

金融市場が百年以上、解決できなかった流動性問題です。そんな簡単に解決できないのではないでしょうか。

私からのレポートは以上です。